ペプシのボトルキャップ集めに箱買いをねだった!平成のジュースおまけ収集熱あるある

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平成あるある
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はじめに:「もう1本だけ!」とコーラを飲み続けたあの夏

平成あるある~ジュースのオマケ(ペプシのボトルキャップなど)を集めるために、親にお願いして箱買いする。

平成の中頃、コンビニやスーパーのジュース売り場で、子どもたちの目を奪っていたものがありました。ペットボトルの首にぶら下がった、小さなフィギュアのおまけ——ボトルキャップです。

スター・ウォーズのキャラクター、ドラえもん、ガンダム——お気に入りのキャラクターのボトルキャップを全種類揃えたい。でも中身は袋に入っていて何が出るかわからない。ダブったキャラクターが出るたびにがっかりし、まだ持っていないキャラクターが出るたびに歓喜する。「全部揃えたい!」という収集欲に火がつき、ついには親に「箱買いして!」とお願いした——そんな経験をお持ちの平成世代は多いのではないでしょうか。

本記事では、平成を熱狂させたペプシのボトルキャップを中心に、ジュースのおまけ収集ブームがどのようなものだったのかを、事実に基づいて振り返ります。


第1章:ボトルキャップとはどんなおまけだったのか

ボトルキャップとは、ペットボトル飲料の首部分に取り付けられた、キャラクターなどをかたどった小さなフィギュア型のおまけです。ペットボトルのキャップをモチーフにした台座の上に立体的なキャラクターが乗っている形状が特徴でした。

このボトルキャップブームの火付け役となったのが、サントリーが展開したペプシコーラのキャンペーンです。サントリーは1997年10月、米PEPSICO, Inc.と契約を結び、日本におけるペプシコーラのマスターフランチャイズ権を獲得しました。当時ペプシは「PEPSIMAN」のキャラクターで知られつつあったものの、国内ではまだマイナーな飲料の域を出ておらず、世界的ブランドの認知度をいかに上げるかがサントリーの課題でした。

その認知度向上の切り札となったのが、ボトルキャップを使ったオンパック(商品に景品を取り付ける)キャンペーンだったのです。ペットボトルにおまけを付けることで「集めたいから買う」という購買動機を生み出し、ペプシの売上と認知度を一気に押し上げる戦略でした。


第2章:社会現象となった「スター・ウォーズ」ボトルキャップ

ペプシのボトルキャップを語るうえで欠かせないのが、映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』とのタイアップです。

映画の公開に合わせて行われたキャンペーン第1弾は1999年8月23日から実施され、ペプシコーラの缶やペットボトルにボトルキャップが1つ付属しました。ノーマルのボトルキャップは全40種類。さらに「当たりシール」が出れば、両手が動く上半身サイズの限定版スペシャルボトルキャップ全12種類と交換してもらえるという仕組みもありました。

このノーマル40種とスペシャル12種を合わせた全52種類をすべて揃えるのは、かなり難易度の高いものでした。何が入っているかわからない袋に封入されていたため、欲しいキャラクターを狙って手に入れることはできず、ひたすらコーラを買い続けて運に任せるしかありません。

スター・ウォーズファンの間では、当時の熱狂が「あのコーラの味、そしてボトルキャップ独特のラバーのにおい」という形で記憶に残っていると語られています。多くのファンがボトルキャップを集めるためにコーラを飲み続けたあの夏は、平成のひとつの社会現象でした。


第3章:なぜ「箱買い」してまで集めたのか——収集欲の心理

ボトルキャップを全種類揃えたいという欲求は、人間の収集本能を巧みに刺激するものでした。

中身が見えない袋に封入されているため、開けてみるまで何が出るかわからない——この「ランダム性」が収集欲を強烈に煽ります。狙ったキャラクターが出ない、あるいは同じキャラクターばかりダブる、という状況は「あと少しで揃うのに」という気持ちを生み、「もう1本、もう1本」と買い続ける動機になりました。

子どもにとって、ジュースを何本も買うのは小遣いの範囲では限界があります。そこで登場するのが「親へのお願い」です。「ねえ、箱で買って!」「これ集めてるから!」と親に頼み込み、ケース単位でジュースを購入してもらう——という行動が各家庭で繰り広げられました。

箱買いをすれば一度に多くのボトルキャップが手に入りますが、それでもダブりは避けられません。家には飲みきれないほどのペットボトルが並び、冷蔵庫がジュースで埋まる——「そんなに飲めるの?」という親の心配をよそに、子どもたちはボトルキャップ収集に夢中になっていました。


第4章:コーラ業界の「プライズ戦争」——ペプシ対コカ・コーラ

ペプシのボトルキャップが大ヒットすると、ライバルのコカ・コーラも黙ってはいませんでした。ここから両社による激しいキャンペーン合戦、いわゆる「プライズ戦争」が始まります。

コカ・コーラは2000年、カリスマ的な人気を誇るRPGゲーム『ファイナルファンタジー』とコラボしたボトルキャップを世に送り出し、巻き返しを図りました。その後、ボトルキャップはペプシとコカ・コーラの一大キャンペーン合戦として、さらに広がりを見せていきます。

2000年以降のボトルキャップ展開では、さまざまな大規模タイアップが行われました。『猿の惑星』『スター・ウォーズ エピソード2』『ジュラシック・パーク』などのハリウッド超大作、『ドラえもん』『ガンダム』や少年ジャンプ作品、任天堂作品などの人気アニメ・マンガ・ゲーム作品、さらには2002年の日韓ワールドカップとのコラボレーションなど、その範囲は実に多岐にわたりました。

子どもから大人まで、それぞれが好きな作品のボトルキャップを求めて飲料を買い続ける——ボトルキャップは平成のコンビニ・スーパーの飲料売り場を彩る一大ジャンルとなっていました。


第5章:おまけ収集が生んだ「平成の遊び文化」

ボトルキャップをはじめとするジュースのおまけ収集は、単に集めるだけでなく、子どもたちの間でさまざまな遊びやコミュニケーションを生み出しました。

「ダブったキャラクターを友達と交換する」という交換文化は、その代表です。自分がダブって持っているキャラクターと、友達が持っている自分の欲しいキャラクターを交換することで、お互いのコレクションを効率よく完成に近づけられます。学校に持ち寄って「これとこれ交換しない?」とやりとりするのは、ボトルキャップ世代の楽しい記憶のひとつです。

集めたボトルキャップを飾って眺める楽しみもありました。スター・ウォーズのキャンペーンでは、全52種類のコレクションを飾るための「コレクションステージ」が、ハズレのPEPSIマークを5枚集めて応募すると抽選で2万名にプレゼントされる企画もありました。揃えたボトルキャップを専用の台座に並べて飾ることは、コレクター心をくすぐる演出でした。


第6章:ボトルキャップブームの終焉——公正取引委員会の警告

これほど日本を熱狂させたボトルキャップブームですが、2005年以降、急速に落ち着いていきました。その引き金になったとされるのが、公正取引委員会による警告です。

中身の見えない袋で付属されてきたボトルキャップについて、サントリーが位置づけていた「総付懸賞」(商品を買った人全員に景品を付ける形式)ではなく、「一般懸賞」(くじ等の偶然性で景品が当たる形式)とみなされ、景品の限度額の問題が指摘されたと言われています。

この警告を受け、各社は自主規制を行い、ボトルキャップは中身が見える袋で付属されるようになりました。何が入っているかわからないドキドキ感が失われたことで、膨らんでいた収集欲は一気にしぼみ始め、ボトルキャップブームは2000年代前半に終わりを迎えていったとされています。

何が出るかわからないからこそ「もう1本」と手が伸びていたのですから、中身が見えるようになれば欲しいものだけを選んで買えてしまい、大量に買い集める動機が薄れたというのは、収集ブームの本質を突いた変化だったと言えます。


まとめ:箱買いをねだったあの熱狂は、平成の収集文化そのものだった

ペプシのボトルキャップに代表されるジュースのおまけ収集は、サントリーのマーケティング戦略から始まり、コカ・コーラとの「プライズ戦争」を経て、平成を代表する一大ブームへと発展していきました。

何が出るかわからない袋を開けるドキドキ感、ダブりに落胆し新キャラに歓喜する一喜一憂、友達との交換、そして「箱買いして!」という親へのお願い——これらすべてが、ボトルキャップという小さなおまけが生み出した、平成の豊かな収集文化でした。

冷蔵庫を埋め尽くすほどのペットボトルと引き換えに集めた、あの小さなフィギュアたち。今もどこかの引き出しや実家の棚に眠っているかもしれないボトルキャップは、平成の子どもたちの収集熱と、それを見守った(あるいは付き合わされた)親たちの記憶が詰まった、愛おしい時代の証です。


本記事は、ペプシボトルキャップキャンペーンおよびコーラ業界のキャンペーン展開に関する公開情報・報道に基づいて執筆しています。キャンペーンの仕様・実施期間は各キャンペーンによって異なります。


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