ドラマのヒロインの髪型を美容室でオーダーした!平成の「あの髪型にして」あるある

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平成あるある
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はじめに:「あのドラマの主人公みたいにしてください」と頼んだあの日

平成あるある~ドラマのヒロインの髪型(シャギーやショート)を美容室でオーダーする。

平成の時代、月9(フジテレビ月曜9時)をはじめとするトレンディドラマや人気ドラマが大ヒットすると、決まって起こる現象がありました。ドラマのヒロインが見せる素敵な髪型に憧れて、「私もあんな風になりたい!」と美容室に駆け込むことです。

雑誌の切り抜きを握りしめて、あるいは「あのドラマのあの女優さんの髪型にしてください」と伝えて、シャギーをたっぷり入れた軽やかなスタイルや、思い切ったショートカットをオーダーする——。鏡の前で仕上がりを見て、「ちょっとイメージと違うかも…」と思いつつも、なんだか新しい自分になれた気がして嬉しかった。そんな経験をお持ちの方は、平成を過ごした世代に多いのではないでしょうか。

本記事では、平成のドラマと髪型の関係を振り返りながら、ヒロインの髪型をオーダーするという行動に込められた、あの時代ならではのトレンド感覚を、事実に基づいて紐解いていきます。


第1章:ドラマが「髪型のお手本」だった時代

平成の時代、テレビドラマは流行の発信源として絶大な影響力を持っていました。特に若い女性にとって、人気ドラマのヒロインが見せるファッションやヘアスタイルは、最新トレンドそのものでした。

インターネットやSNSがまだ普及していなかった、あるいは発展途上だった時代において、テレビは最も影響力のあるメディアでした。毎週決まった時間に放送されるドラマを多くの人が同時に視聴し、翌日には学校や職場でその話題で盛り上がる——そんな「みんなが同じものを見ている」状況だからこそ、ドラマ発のトレンドは爆発的に広がりました。

ヒロインの髪型は、その代表格です。ドラマの中で魅力的に描かれるヒロインの姿に憧れ、「あんな風になりたい」と思った視聴者が、こぞって同じ髪型を求めて美容室に向かう。こうして、人気ドラマのヒロインの髪型が、その時期のトレンドヘアとして全国に広まっていったのです。


第2章:平成を象徴する「シャギーカット」の流行

平成のヘアトレンドを語るうえで欠かせないのが、「シャギーカット」です。

資生堂のヘアメイクアップアーティストによる平成のビューティートレンドの振り返りによれば、この時期、メディアなどで「カリスマ美容師」が人気となり、毛先に段差をつけるレイヤーカットや、毛先をすくシャギーカットが提案されました。また、若い女性のヘアカラー率が9割を超えたともされています。

シャギーカットとは、毛先を不揃いにすいて軽さや動きを出すカット技法です。髪に動きが生まれ、軽やかで抜け感のある印象になることから、平成の若い女性たちの間で大流行しました。平成に流行った髪型を振り返る記事でも、「シャギーをいれてすいてください」とオーダーしたという声が紹介されており、「軽さこそが正義だった」と当時の風潮が語られています。

美容室で「シャギーを入れてください」「軽くしてください」とオーダーするのは、平成の若い女性にとってごく一般的なことでした。重たい髪型よりも、動きのある軽やかな髪型が好まれた時代。ドラマのヒロインたちも、こうした軽やかなスタイルを見せることが多く、それがさらにトレンドを後押ししていったのです。


第3章:「カリスマ美容師」ブームという追い風

平成のヘアトレンドを加速させた大きな存在が、「カリスマ美容師」のブームです。

平成の中頃、テレビ番組などで人気の美容師が「カリスマ美容師」として大きく取り上げられるようになりました。彼らが提案する最先端のヘアスタイルは大きな注目を集め、美容師という職業そのものへの憧れも高まりました。美容師が「スタイルを生み出すクリエイター」として脚光を浴びた時代だったのです。

カリスマ美容師たちが提案するレイヤーカットやシャギーカットは、雑誌やテレビを通じて広く紹介され、「あの美容師さんがやっているスタイル」「今っぽい軽やかな髪型」として、多くの女性が真似をしました。ドラマのヒロインの髪型と、カリスマ美容師が提案するトレンドヘアが相乗効果を生み、平成のヘアトレンドはますます盛り上がっていきました。

「美容室に行く」という行為自体が、単に髪を切るだけでなく、最新のトレンドを取り入れるおしゃれな体験として捉えられていた——それが平成という時代の空気でした。


第4章:雑誌の切り抜きを持って美容室へ——オーダーの作法

ドラマのヒロインの髪型をオーダーする際、平成の若者たちには独特の「作法」がありました。

最も一般的だったのが、雑誌の切り抜きや写真を持参することです。ファッション誌やヘアカタログに掲載された憧れの髪型のページを切り抜いて美容室に持っていき、「この髪型にしてください」と美容師さんに見せる——。言葉だけでは伝わりにくいイメージを、写真で具体的に共有するという方法です。

また、「あのドラマの○○さんの髪型にしてください」と、女優さんの名前やドラマ名を伝えてオーダーすることもありました。人気ドラマであれば美容師さんも放送を見ていることが多く、「ああ、あの髪型ですね」と話が通じやすかったのです。

ただし、芸能人の髪型をオーダーする際には、ひとつの「真実」がありました。それは、理想の芸能人と自分とでは、顔のパーツや輪郭、髪質や毛量が違うということです。現代のヘアスタイル解説でも、芸能人の名前を伝えるだけではイメージが正しく伝わらないこと、どんなにうまくオーダーしても全く同じにはならないことが指摘されています。これは平成も令和も変わらない、髪型オーダーの普遍的な真理と言えるでしょう。

それでも、憧れの髪型に少しでも近づきたいという気持ちで、若者たちは美容室の鏡の前に座ったのです。


第5章:「イメージと違う」も含めて思い出だった

憧れのヒロインの髪型をオーダーしても、必ずしも理想通りに仕上がるとは限りませんでした。

「思っていたのと違う」「あの女優さんみたいにならなかった」——鏡を見てそう感じた経験のある方も多いのではないでしょうか。それもそのはず、前述のとおり、顔立ちも髪質も骨格も人それぞれ違います。同じカットをしても、まったく同じ印象になることはありません。

しかし、たとえイメージ通りでなかったとしても、それはそれで大切な思い出です。新しい髪型で学校や職場に行く時のドキドキ、「髪切った?」と気づいてもらえた時の嬉しさ、友達と「あのドラマの髪型にしたんだ」と盛り上がる楽しさ——。髪型を変えるという行為には、結果だけでなく、その過程すべてに特別な感情が詰まっていました。

そして、思い切ってショートにした時の解放感や、シャギーを入れて軽くなった時の新鮮さは、ドラマのヒロインに自分を重ねながら「新しい自分」を試してみる、ささやかな冒険でもありました。


第6章:トレンドの発信源の変化——テレビからSNSへ

平成にはドラマが髪型トレンドの大きな発信源でしたが、令和の現在、その構図は大きく変化しています。

スマートフォンとSNSの普及により、ヘアスタイルの情報源は多様化しました。InstagramやTikTok、ヘアカタログアプリなどで、無数のヘアスタイルを瞬時に検索・比較できるようになりました。美容師さん自身がSNSで自分の作品を発信し、それを見て「この人に切ってもらいたい」と指名する——という流れも一般的になっています。

また、参考にする対象も、ドラマの女優さんだけでなく、SNSのインフルエンサーや海外のモデル、一般の人のおしゃれなヘアスタイルなど、格段に広がりました。「みんなが同じドラマを見て、同じ髪型に憧れる」という平成的な現象は、情報が分散した現代では起こりにくくなっています。

その意味で、ドラマのヒロインの髪型を雑誌の切り抜きを持って美容室でオーダーするという行動は、テレビが圧倒的な影響力を持っていた平成という時代を象徴する、懐かしい光景なのです。


まとめ:憧れを髪型に託した、平成のトレンド体験

平成の時代、ドラマのヒロインの髪型を美容室でオーダーするという行動は、テレビが最大のトレンド発信源であり、シャギーカットやレイヤーカットが流行し、カリスマ美容師がもてはやされた、あの時代ならではの文化でした。

雑誌の切り抜きを握りしめ、「あの女優さんの髪型にしてください」と美容師さんに伝えたあの瞬間。仕上がりに一喜一憂しながらも、新しい髪型で新しい自分を試してみたあの体験。それは、憧れのヒロインに自分を重ね、ドラマの世界の輝きを日常に取り入れようとした、平成の若者たちの素敵なトレンド体験でした。

今では情報源がSNSへと移り変わりましたが、「憧れの誰かの髪型に近づきたい」という気持ちそのものは、時代を超えて変わらないものなのかもしれません。あの頃、ドキドキしながら美容室の扉を開けた記憶は、平成を生きた人々の心に、今も鮮やかに残っているのではないでしょうか。


本記事は、平成のヘアトレンドに関する資生堂のヘアメイクアップアーティストによる情報および各種公開情報に基づいて執筆しています。トレンドの流行時期・内容には諸説あります。


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