デジカメのメモリーカード規格が多すぎて読めない!平成の「リーダーが対応していない」あるある

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はじめに:「このカードは読めません」——あの絶望感を覚えていますか?

平成あるある~デジカメのメモリーカードの規格が乱立していて、リーダーが対応していなくて困る。

平成の中頃、デジタルカメラ(デジカメ)が家庭に普及し始めた頃、こんな体験をした方は多いのではないでしょうか。友達の家でデジカメで撮った写真をパソコンに取り込もうとして、カードリーダーに差し込んでみると——「このカードには対応していません」というメッセージ。

「えっ、なんで?」——カードの形はちょっと違うし、リーダーのスロットに入らない。「このカード何?」「コンパクトフラッシュっていうらしい」「うちのはスマートメディアなんだけど」「メモリースティックってなに?」——メーカーによってまったく違う規格のカードが使われていて、対応するリーダーがないと写真を取り込めない。デジカメ普及期の平成には、こんな「規格の壁」に困らされた経験を持つ方がたくさんいらっしゃるはずです。

本記事では、平成のデジカメ時代を賑わせた数々のメモリーカード規格の歴史と、あの「リーダーが対応していない」困惑の正体を、事実に基づいて振り返ります。


第1章:コンパクトフラッシュ——デジカメ黎明期の代表格

平成のデジカメ時代に最も広く普及したメモリーカードのひとつが、コンパクトフラッシュ(CompactFlash、CF)です。

コンパクトフラッシュは、SanDisk社が1994年に策定した規格です。Wikipediaによれば、デジタルカメラが普及し始めた1990年代後半から2000年代前半にかけて、コンパクトフラッシュはスマートメディアと並んで代表的なメモリーカードでした。

コンパクトフラッシュはその後、コンパクトデジタルカメラではより小型のSDメモリーカードやメモリースティックなどを使用するものが増えましたが、より高速・大容量だったため、デジタル一眼レフカメラなどの高級機器では長期間にわたって使われ続けました。内蔵ハードディスク等で使用されているパラレルATAとインタフェース上の互換性を持つという特性も持っていました。

コンパクトフラッシュを採用していたカメラのユーザーは、サイズの異なる他の規格のカードリーダーでは読み込めないという「互換性の壁」に直面することも少なくありませんでした。


第2章:スマートメディア——薄さが武器で悩みも多かった規格

コンパクトフラッシュと並んで平成初期のデジカメ市場を代表していたのが、スマートメディア(SmartMedia)です。

スマートメディアは東芝が開発した規格で、非常に薄くシンプルな構造が特徴でした。コントロール回路を持たないシンプルな設計のため、薄く軽く作れる反面、その薄さゆえに取り扱いに注意が必要でした。富士フイルムやオリンパスの製品を中心に採用されていましたが、後に同じ富士フイルムとオリンパスが共同でxDピクチャーカードを開発したことで、スマートメディアは市場から姿を消していきます。

スマートメディアのカードを持つユーザーは、コンパクトフラッシュ対応のリーダーでは読み込めず、専用のリーダーが必要でした。平成のデジカメ普及期に複数のメーカーのカメラを使っていると、異なる規格のカードが複数手元に溜まってしまう状況が起きていたのです。


第3章:メモリースティック——ソニーが作ったソニーのための規格

平成のメモリーカード規格乱立を語るうえで、ソニーのメモリースティックは欠かせない存在です。

Wikipediaによれば、メモリースティックは1997年7月17日にソニーから発表された規格で、ソニーのVAIOセンター、富士通などによる共同開発として、アイワ(初代法人)、オリンパス、カシオ計算機、三洋電機、シャープ、ソニーが発表時から協賛していました。

発表当時、既にメモリーカード市場ではコンパクトフラッシュ・スマートメディアなどがシェアを争っていましたが、メモリースティックはさまざまなユーザーが利用することを想定した家電寄りの設計思想が特徴でした。

特に問題だったのが、メモリースティックの派生規格の多さです。メモリースティック、メモリースティックPRO、メモリースティックDuo、メモリースティックPRO Duo、メモリースティックマイクロ(M2)など、互換性があったりなかったりする多数のバリエーションが存在し、非常にわかりにくい状況でした。ソニーのカメラやVAIOパソコン、PSPなどソニー製品同士での連携を想定した設計だったため、他社製品との互換性は限られていました。


第4章:xDピクチャーカード——2社だけが採用した孤高の存在

2002年に富士フイルムとオリンパスが共同開発して発売したのが、xDピクチャーカード(xD-Picture Card)です。

xDは「eXtreme Digital」の略で、小型・大容量を目指した規格でした。しかし採用したのはこの2社だけで、最大で2GBの製品が発売されたものの、SDカードの普及により市場での存在感は限られました。

ITmedia NEWSの記事によれば、xDピクチャーカードは「2社しか採用してなかったのでカードがすごく高かった」という状況だったとされています。また、富士フイルムは見切りをつけるのが早く、投入から5年ほど経って登場した「FinePix F40fd」からSDカードも使えるようになっていたとも語られています。

xDピクチャーカードのリーダーへの対応が少なかったこともあり、xDを使うユーザーは特定のリーダーを用意するか、カメラをUSBで直接接続して写真を転送する必要がありました。


第5章:SDカードの登場と「規格の勝者」への収束

この混乱に終止符を打ったのが、SDメモリーカード(SD Card)の普及でした。

SDメモリーカードは、SanDisk・パナソニック・東芝の3社が共同で策定した規格で、1999年8月25日に発表されました。その後、SDカードは急速に普及し、市場の主流規格へと成長します。ケータイ Watch の記事では「ほかのメモリーカードを次々ブッ●して現在主流となったメモリーカード」と表現されるほど、SDカードは圧倒的なシェアを獲得しました。

2005年頃から携帯電話でのminiSDやmicroSD規格の採用が急増したことも、SDカード系列の普及を後押ししました。2010年代になるとほとんどのパソコンにマルチリーダーが採用され、SDカードを中心に複数規格に対応する環境が整っていきました。メモリースティックについても、ソニー製品がSDカード系にも対応するようになっていったとWikipediaは記しています。


第6章:「マルチカードリーダー」という救世主の登場

規格が乱立していた時代に、ユーザーたちが困惑を乗り越えるために活用したのが「マルチカードリーダー」でした。

複数の規格のメモリーカードに対応したリーダーは、「1台持っておけばとりあえず大丈夫」という安心感を与えてくれる存在でした。コンパクトフラッシュ、スマートメディア、メモリースティック、SDカードなど複数のスロットを備えたリーダーがあれば、友人のデジカメのカードも読み込める可能性が高まります。

しかし、xDピクチャーカードやメモリースティックの特定のバリアントには対応していないリーダーも多く、「このカードだけ読めない」という状況が起きることもありました。また、当時のマルチリーダーは現在のものより高価で、すべての家庭に普及しているわけでもありませんでした。

この時代を生きたユーザーたちは、友達の家に行く際に「あっち、何のカード使ってるんだっけ?」と確認し合い、必要であればカメラ本体をUSBケーブルで直接繋いで転送するという手順を踏んでいたのです。


まとめ:規格の混乱が、逆に「あの時代」を彩っていた

コンパクトフラッシュ、スマートメディア、メモリースティック、xDピクチャーカード、SDカード——デジカメのメモリーカード規格が乱立し、リーダーが対応していなくて困るという体験は、平成のデジカメ普及期ならではのものでした。

メーカーがそれぞれ自社規格を推進するという競争の結果として、ユーザーが互換性の壁に悩まされるという皮肉な状況が生まれていたのです。SDカードという強力な規格が登場したことで混乱は収束していきましたが、その過程で「カードリーダーが対応していない!」という経験をした方は少なくありません。

あの「カードが読めない」という困惑の瞬間も、今となっては平成のデジカメ文化の記憶の一部です。引き出しの奥にコンパクトフラッシュやスマートメディアが眠っているという方もいらっしゃるかもしれません。それらは、メモリーカード規格の「戦国時代」を生き抜いた、デジカメ時代の証人といえるでしょう。


本記事は、各メモリーカード規格のWikipedia記事、ITmedia NEWS、ケータイ Watchの報道等の公開情報に基づいて執筆しています。規格の発売年・仕様は製品によって異なります。


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