「w」が笑いになり「草が生える」へ!平成インターネット文化が生んだスラングの進化あるある

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平成あるある
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はじめに:「w」から「草」まで、笑いの表現がどう変わったか

平成あるある~「w」を「笑い」の意味で使い始め、草が生えるという表現が定着していく過程。

「www」「草」「草生える」——平成から令和にかけてのインターネット上の会話で、これらの表現を見たり使ったりした経験がある方は多いのではないでしょうか。

LINEのトークや掲示板、SNSで気の合う相手とやりとりしていると、ついついこういった表現が出てきます。「w」ひとつでクスッと笑った感じを伝えたり、「www」と重ねて爆笑を示したり、「草」と書いてみたり——。

しかしよく考えてみれば、「w」がなぜ笑いを意味するのか、「草」がなぜ笑いを表すのか、不思議に思ったことはありませんか? 今となっては当たり前のように使っているこれらの表現には、平成のインターネット黎明期から積み重なってきた、面白い歴史があります。

本記事では、「(笑)」「w」「草」という笑いの表現がどのように生まれ、どのように変化してきたのかを、事実に基づいて振り返ります。


第1章:「w」の起源——1997年のオンラインゲームから

笑いを意味する「w」の起源については諸説がありますが、Wikipediaの「(笑)」の項目では、1997年のオンラインゲーム『Diablo』から生まれたものという説が紹介されています。

ローマ字でしか会話できなかった当時のプレイヤーたちが、「(笑)」を「(warai」と入力していたものを「(w」に省略し、さらに「w」のみに簡略化していったとされています。つまり、「w」は「笑い(warai)」の頭文字を取ったものであり、「わら」「笑い」と同義の表現として使われ始めたのです。

この「笑いをローマ字で書いて省略する」という発想は、当時のパソコン通信やオンラインチャット環境における、漢字入力の手間やタイピングコストの削減から生まれた自然な進化といえます。インターネット上の会話では、できるだけ素早くリアクションを伝えたいというニーズがあり、長い表現が短縮されていく傾向があります。「(warai)」→「(w)」→「w」という省略の連鎖は、その典型例です。


第2章:「(笑)」からの移行と2ちゃんねるでの爆発的普及

「w」以前のインターネット上での笑いの表現として主流だったのが「(笑)」でした。

報道によれば、インターネット通信が一部のマニアたちの間で使われていた1980年代から、笑いを表現するスラングとして「(笑)」が用いられていたとされています。しかし、当時のチャットツールによる漢字入力の制限や入力のしやすさなどから、しだいに「w」へとその地位を譲っていくことになりました。

「w」の使用文化が大きな転機を迎えたのが、2000年代前後の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の隆盛です。初期には文末に「w」一文字を置く用法だったものが、2ちゃんねる文化の中で「wwwwwwwwww」と文末に多数並べることが通例化していきました。「w」の数が多いほど、笑いの度合いが強いことを示す——という感覚が定着していったのです。

2ちゃんねるの人気が高まるとともに、このスタイルはネット全体に広まり、やがてオンライン上で笑いを表現する第一の手法へと成長していきました。


第3章:「wwwwww」の見た目が「草」に変わるまで

「w」が笑いの表現として定着した後、さらなる変化が起きました。「草」「草生える」という表現の誕生です。

この変化のきっかけは視覚的なものでした。「wwwwwwww」と「w」を大量に並べると、その形が雑草や草むらに見えることから「草が生える」「草生えた」という表現が使われるようになったのです。

Wikipediaによれば、2016年頃から2ちゃんねるやニコニコ動画などを起点として、若者の間でこの「草生える」という表現が広く認知されるようになり、それを省略した「草」は一般化した表現になっていきました。

「w」という記号の羅列が、視覚的に「草むら」に見えるという気づきから生まれた「草」という表現は、「w」や「(笑)」と比べて重要な特徴を持っています。それは、文字だけでなく口頭でも使えるという点です。「それ草w」と書くだけでなく、実際の会話で「いやー、それ草だわ」と言えるほど日常語として定着していったのです。


第4章:「w」をめぐる世代間の温度差

「w」という表現は、使う世代によってその受け取られ方が大きく異なる点も興味深い特徴です。

平成のインターネット文化の中で「w」に慣れ親しんだ世代にとっては、これは自然なコミュニケーション表現のひとつです。しかし、それより上の世代、特にインターネット以前の感覚を強く持つ世代にとっては、「(笑)」すら馴染みが薄く、「w」に至っては意味すら分からないという状況もありました。

また、「w」の受け取られ方も時代とともに変化しています。2008年頃から、「w」が嘲笑としてのニュアンスなしに使われるようになる一方で、「(笑)」と閉じ括弧まで含めた形式が嘲笑のニュアンスで使われるようになったという指摘もあります。

さらに近年では、「w」が「古い」と感じる若者も増えてきているとも言われています。Z世代(1990年代後半から2010年頃生まれ)は「w」の代わりに「草」や絵文字、GIF、リアクションスタンプなどを使う傾向があるとされており、スラングの世代交代が起きていることがうかがえます。


第5章:「草も生えない」という派生表現の誕生

「草生える」という表現が定着すると、その逆を表す派生表現も生まれました。「草も生えない」「草すら生えない」という表現がそれにあたります。

これは「面白くもなんともない」「笑えもしない」という意味で使われる表現で、「草が生える=笑える」という比喩をひっくり返したものです。「つまらなすぎて草も生えない」「ひどすぎて草すら生えない」という形で使われ、ただ「笑えない」と言うよりも、より強い否定感を表現できる表現として使われるようになりました。

また「草」の変形として「芝生」「芝」という表現も使われることがあります。「w」を大量に並べると芝生のように見えるという視覚的な連想からくるもので、「草生やすな」(笑うな)という表現とともに、草・芝を中心とした植物メタファーが笑いの表現として一定の広がりを見せています。

ひとつの記号「w」から始まった笑いの表現が、植物の世界観を持つ豊かな語彙体系へと発展していった様子は、インターネット言語の創造性を示す好例といえるでしょう。


第6章:「(笑)」「w」「草」の現在——どれが主流か

2017年に女性ファッション誌『CanCam』が10〜30代の女性を対象に行ったアンケート調査では、「(笑)」よりも括弧のない「笑」を使うという回答が最も多かったとWikipediaは伝えています。

このアンケート結果が示すように、「w」「草」「(笑)」「笑」は並行して使われており、どれがひとつの「正解」というわけではありません。使い手の世代、相手との関係性、プラットフォーム(LINEかTwitter/Xか掲示板か)によって使い分けられているのが実態です。

「(笑)」は比較的フォーマルなニュアンスがあり幅広い世代に使われる一方、「w」は2ちゃんねる・ニコニコ動画寄りの文脈で使われやすい。「草」は幅広く使われながらも若い世代に特に親しまれ、絵文字やスタンプとの併用も一般的——といった形で、それぞれの表現が異なるポジションを占めています。

いずれの表現も、「テキストだけで笑いを伝えたい」という根本的なニーズから生まれたものであり、インターネット上のコミュニケーションが豊かになっていく過程で自然に育まれてきた言葉の文化です。


まとめ:「w」から「草」への歩みは、平成インターネット文化の縮図だった

「warai」の省略から生まれた「w」が、2ちゃんねるで「wwwwww」へと増殖し、その見た目から「草生える」という表現を生み、やがて口頭でも使える「草」という独立した語として定着していった——この進化の過程は、平成のインターネット文化そのものの縮図といえます。

ユーザーたちの創意工夫とユーモアが、新しい言葉を生み出し、それが広まり、さらに派生していく。「草も生えない」という逆説的な表現まで生まれていったその豊かさは、インターネット上で育まれた言語文化の面白さを体現しています。

「w」という一文字から始まったこの物語は、平成という時代がインターネットとともに歩んできた、言葉の進化の記録でもあります。


本記事は、Wikipedia「(笑)」の項目および各種公開情報・報道に基づいて執筆しています。「w」の起源については諸説あり、確定的な定説はありません。スラングの使用状況・ニュアンスは時期・コミュニティによって異なります。


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