平成あるある~三代目 J Soul Brothersの『R.Y.U.S.E.I.』が流れると、全員で一列になってランニングマンを踊る。
学校でもカラオケでも、あのイントロが流れた瞬間に空気が変わった経験はないでしょうか。三代目 J Soul Brothersの「R.Y.U.S.E.I.」が流れると、誰からともなく一列に並び、揃ってランニングマンを踊り出す。これは平成後期を象徴する光景のひとつでした。2014年に巻き起こったこのムーブメントは、単なるヒット曲の枠を超え、学校行事や飲み会、体育祭の定番演出にまで発展していきました。今回は「R.Y.U.S.E.I.」とランニングマンにまつわる平成あるあるを、当時の熱量とともにじっくり振り返っていきます。
1. R.Y.U.S.E.I.はどんな曲だったのか
「R.Y.U.S.E.I.」は三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEが2014年6月25日にリリースしたシングルです。春夏秋冬をテーマにしたシリーズの第2弾として制作された楽曲で、EDMを取り入れた疾走感のあるサウンドが特徴でした。オリコン週間シングルランキングでは初登場1位を獲得し、初週だけで16万枚を超える売上を記録しています。その年の日本レコード大賞も受賞しており、紅白歌合戦への出場も決まるなど、まさに2014年を代表するヒット曲となりました。
ミュージックビデオはグループとして初めてロサンゼルスで撮影され、メンバーがオープンカーに乗るシーンやバイクで走るシーン、豪邸でパーティーを楽しむシーンなど、海外撮影ならではのスケール感あふれる映像に仕上がっています。メンバー全員が集まって歌うクラブのシーンには約350名ものエキストラが参加しており、当時としてはかなり力の入った作品だったことがうかがえます。曲名の「R.Y.U.S.E.I.」は「流星」を意味しており、駆け抜けるようなサウンドと重なって、聴く人に爽快感を与える一曲でした。
2. ランニングマンが大ブームになった理由
この曲を象徴的なものにしたのが、間奏部分で披露される「ランニングマン」でした。メンバーが横一列に並び、足踏みをしながら後方へスライドするように動くダンスは、シンプルながらキレのある動きで、見る人の心を掴みました。誰でも真似しやすいステップだったことも、ブームが広がった大きな理由のひとつです。
ミュージックビデオが公開されてから一ヶ月足らずで再生回数200万回を突破したという記録も残っており、当時のSNSでも「真似したいダンス」として拡散されていきました。難易度が高すぎないぶん、練習すればすぐに揃えられるという手軽さも人気の後押しになりました。学校の休み時間や体育祭の練習中に、誰かがふざけてランニングマンを踊り始めると、周りも次々に加わっていく。そんな光景があちこちで見られるようになったのです。テレビの音楽番組でメンバーが披露するたびに翌日の学校で話題になるなど、リアルタイムで流行が広がっていく感覚も平成らしい思い出のひとつではないでしょうか。
3. 学校行事の定番になったランニングマン
平成後期の学生にとって、「R.Y.U.S.E.I.」は文化祭や体育祭のBGMとして欠かせない存在になっていきました。クラス対抗のダンス発表や有志のステージ企画で、この曲に合わせてランニングマンを踊るのはもはや鉄板の演出でした。特に体育祭の入場行進や応援合戦の場面では、選手全員が横一列に並んでランニングマンを披露し、観客席から歓声が上がるという流れが定番化していました。
修学旅行のバスレクや、部活動の打ち上げでも披露される機会が多く、誰かが「ランニングマンやろう」と言い出せば、練習していなくてもなんとなく全員が揃って踊れてしまうほど、当時は浸透していた振り付けでした。体育の授業でダンスの単元があると、先生がこの曲を選ぶこともよくあり、男女関係なく盛り上がれる数少ない振り付けとして重宝されていました。運動が苦手な生徒でも足踏みとスライドだけなので参加しやすく、クラス全員で一体感を味わえる点も、学校行事に取り入れられやすかった理由のひとつだったといえます。
4. カラオケや宴会で盛り上がる定番曲だった
「R.Y.U.S.E.I.」は学校だけでなく、カラオケや飲み会の場でも欠かせない一曲でした。友人同士のカラオケでこの曲が入ると、椅子を立ち上がって一列に並び、サビ前の間奏でランニングマンを踊るという流れが自然にできあがっていました。社会人の飲み会や忘年会の余興でも取り上げられることが多く、年代を問わず盛り上がれる曲として重宝されていた印象があります。
同年に発表された年間カラオケランキングでも上位に入るなど、幅広い世代に浸透していたことがうかがえます。誰かが踊り始めると自然と輪が広がっていく、そんな連帯感を生み出す力を持った曲でもありました。狭いカラオケルームの中で無理やり横一列になり、足がぶつかりそうになりながらも踊りきる。そんな微笑ましい失敗談を持っている方も少なくないのではないでしょうか。会社の新人歓迎会や結婚式の二次会など、フォーマルな場でも余興として取り入れられることがあり、幅広いシーンで使い勝手のよい一曲だったこともブームを長続きさせた要因といえるでしょう。
5. SNSで拡散されたランニングマン動画
当時はスマートフォンとSNSが急速に普及していた時期でもあり、友人同士で撮影したランニングマンの動画が次々と投稿されていきました。学校の廊下や公園、自宅の庭など、場所を選ばずに撮影できる手軽さも相まって、真似する動画が全国的に増えていきました。中にはダンスの完成度を競い合うような投稿も見られ、振り付けをオリジナルにアレンジして楽しむグループも現れるなど、ちょっとしたブームを超えた文化的な現象になっていたといえます。
テレビのバラエティ番組でも一般人がランニングマンに挑戦する企画が組まれるなど、芸能人だけでなく一般の人々を巻き込んだムーブメントに発展していきました。今のようにショート動画で瞬時に流行が広がる時代の少し前に、じわじわと口コミやSNSで浸透していったこの現象は、平成という時代ならではの流行の広がり方を象徴していたようにも感じられます。
6. あの頃のランニングマンが教えてくれること
今振り返ると、「R.Y.U.S.E.I.」とランニングマンのブームは、平成という時代の空気感をよく表していたように思います。SNSで簡単に情報が拡散され、誰もが同じ振り付けを真似できる時代だったからこそ、あれほど短期間で全国的なブームになったのでしょう。学校や職場、友人グループといった小さなコミュニティの中で、同じ曲、同じダンスを共有する体験は、今のショート動画で流行が広がる感覚ともどこか似ています。
当時ランニングマンを踊った経験がある方にとっては、このイントロを聞くだけで、あの頃の教室や体育館の風景がよみがえってくるのではないでしょうか。友人と横一列に並び、息を合わせて足踏みをした瞬間の高揚感は、単なる懐かしさだけでなく、青春の一場面として記憶に刻まれている方も多いはずです。
最近では動画配信サービスやサブスクの普及によって、当時のミュージックビデオやライブ映像を改めて見返すことも簡単にできるようになりました。久しぶりに映像を再生してみると、振り付けを覚えていた自分に驚いたり、当時一緒に踊った友人の顔を思い出したりと、懐かしさがこみ上げてくる方も多いのではないでしょうか。平成という時代を象徴するこの一曲は、今でも同窓会やカラオケで盛り上がる定番曲として、多くの人の思い出の中に残り続けています。
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