平成あるある~フリーマーケットアプリ「メルカリ」の登場で、ヤフオクよりも手軽に不用品を売買するようになる。
「家にある不用品、どうにか売れないかな」。平成の中頃までは、そう思ってもヤフオクに出品するにはデジカメで撮影した写真をパソコンに取り込み、出品ページを一つひとつ入力する手間がかかりました。ところが2013年、スマートフォン一つで完結するフリマアプリ「メルカリ」が登場したことで、不用品の売買は一気に身近な存在になります。今回は平成あるあるとして、メルカリの登場がヤフオクとの付き合い方をどう変えたのかを振り返ります。
1.メルカリとは?平成後期に生まれたフリマアプリの衝撃
メルカリは、山田進太郎さんが2013年2月に設立した株式会社コウゾウ(同年11月に株式会社メルカリへ社名変更)が運営するフリマアプリです。2013年7月にサービスを開始し、スマートフォンだけで出品から購入、発送までを完結できる手軽さが特徴でした。
それまでオンラインでの個人売買といえば、1999年9月にサービスを開始したヤフオク!が代表格でした。ヤフオクはパソコンでの利用が前提の設計で、出品には会員登録や入力項目が多く、ある程度の慣れが必要なサービスでした。そこにスマホ完結型のメルカリが現れたことで、これまで「面倒だから」と出品をためらっていた層まで一気に取り込むことになったのです。
ちょうどこの時期は、平成後期にあたる2013年前後からスマートフォンが日本全国の幅広い世代に急速に普及していったタイミングと重なります。ガラケーからスマホへの乗り換えが進み、アプリで買い物をするという行動自体に抵抗がなくなっていった流れの中で、メルカリは絶妙なタイミングで登場したサービスだったといえるでしょう。
2.ヤフオクとの違い-スマホ完結、写真1枚で出品できる手軽さ
ヤフオクとメルカリの最も大きな違いは、出品のハードルの低さにあります。ヤフオクはオークション形式が基本で、開始価格や終了日時を設定し、入札状況を見守るという流れが一般的でした。落札されるまで時間がかかることも多く、じっくり取引したい人には向いていた一方、「今すぐ手放したい」というニーズには応えにくい面もありました。
メルカリはスマホのカメラで撮った写真をそのまま使い、価格を決めて出品ボタンを押すだけという、シンプルな設計を採用しました。フリマ形式のため即決価格で購入されればその場で取引が成立し、出品から取引完了までのスピード感がヤフオクとは大きく異なります。
また、購入者と出品者がコメント欄で気軽に価格交渉できる点や、取引後にお互いを評価し合う仕組みが標準で備わっている点も、ヤフオク世代のユーザーには新鮮に映りました。オークション特有の駆け引きに慣れていなくても、決まった価格で「欲しいものをすぐ買える」「不要なものをすぐ出品できる」という分かりやすさが、平成後期にスマホの普及が進んでいたタイミングと重なり、爆発的に利用者を増やす原動力になったのです。
3.「あるある」エピソードで振り返る平成のフリマアプリ体験
平成あるあるとして語られるのが、それまでヤフオクを使ったことがなかった人までもが「とりあえずメルカリで撮って出してみよう」と気軽に出品を始めた光景です。クローゼットの奥にしまい込んでいた服や、読み終えた漫画、子どものおもちゃなど、これまでなら捨てるかリサイクルショップに持ち込んでいたようなものが、次々とメルカリに並ぶようになりました。
また、通勤・通学中の電車内でスマホを操作しながら出品や購入をする人の姿も、この時期によく見られるようになった光景です。ヤフオク時代にはパソコンの前に座って行っていた作業が、隙間時間でできるようになったことで、不用品売買が特別な作業ではなく日常の延長線上にある行動へと変わっていきました。
家族で「これメルカリで売れるんじゃない?」と物を持ち寄って撮影会のようになったり、梱包用の段ボールやプチプチを普段からストックしておくようになったりしたのも、この頃ならではの光景です。断捨離という言葉が広まった時期とも重なり、「捨てる」より先に「まずメルカリで出してみる」という順番が、多くの家庭の中で当たり前になっていきました。
4.匿名配送・かんたん決済がもたらした安心感
個人間取引で長く課題とされてきたのが、住所を知らせる必要がある発送方法と、代金のやり取りに関する不安でした。メルカリはヤマト運輸と提携した「らくらくメルカリ便」、日本郵便と提携した「ゆうゆうメルカリ便」といった配送サービスを用意し、出品者と購入者が互いの住所を知らせずに荷物をやり取りできる匿名配送の環境を整えました。コンビニや宅配ロッカー、郵便局の窓口から手軽に発送できる点も、初めて個人間取引をする人にとって心強い仕組みでした。
また、購入代金は一度メルカリ側が預かり、商品が届いて取引が完了した段階で出品者に支払われる仕組みを採用しており、代金未払いや商品未着といったトラブルへの不安を軽減する設計になっています。ヤフオク時代にも安全な取引のための工夫は重ねられてきましたが、匿名配送やこうした決済の仕組みが標準機能として組み込まれ、多くの個人がためらいなく使えるようになったことは、メルカリが不用品売買を一般化させた大きな要因のひとつといえます。
5.ヤフオクからメルカリへ-ユーザー行動はどう変わったか
メルカリの普及によって、ヤフオクを使い慣れていた層の一部もメルカリへと利用の軸を移していきました。オークション形式でじっくり高値を狙うヤフオクと、フリマ形式で手早く現金化できるメルカリとでは、そもそもの利用目的が異なる面もありますが、「まずはメルカリで出してみて、売れなければ他の方法を考える」という行動パターンが定着していったのは、この時期の象徴的な変化です。
特にヤフオクにはあまり縁がなかった主婦層や学生など、それまでオンラインでの個人売買にほとんど関わってこなかった人たちがメルカリを入り口に取引を始めたことで、個人間売買の裾野そのものが大きく広がりました。メルカリは2018年6月19日に東京証券取引所マザーズへ上場しており、この上場は個人間の不用品売買という平成的な行動様式が、社会的にも一つの経済圏として認知されたことを示す出来事でした。ヤフオクという先駆けがあったからこそ個人間売買という土壌が育っており、そこにスマホ時代に合わせたメルカリが登場したことで、市場全体がさらに大きく広がったと捉えることができます。
6.まとめ-平成に生まれ令和に受け継がれるフリマアプリ文化
ヤフオクからメルカリへという流れは、単なるサービスの乗り換えではなく、不用品を「売る」という行動そのものが特別なものから日常的なものへと変わっていった平成後期ならではの現象でした。スマホ一つで写真を撮り、価格を決めて出品するというシンプルな体験が、それまで面倒だと感じていた人たちの背中を押し、フリマアプリという新しい習慣を根付かせたのです。
この流れは令和に入った現在も続いており、不用品を捨てる前にまずアプリで出品してみるという行動は、多くの人にとって当たり前の選択肢になっています。平成あるあるとして振り返るメルカリの登場は、私たちの暮らし方や物との付き合い方を静かに、しかし確実に変えた出来事だったといえるでしょう。
💾 平成あるあるリンク & サイト横断
この記事とあわせて読みたい平成ネタ
昭和より新しいけど懐かしい平成の話をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

